大黒柱・床の間に使われる日本の銘木、欅(けやき)の魅力とは~木目の違い・価格など徹底解説!~
こんにちは!
横浜市で注文住宅の設計・建設を行っている、瀬沼住建です!
高級建築材の代表格である欅(けやき)。お住まいには主に大黒柱や床の間に多く用いられています。
建築材の他にも、内装材や家具など、さまざまな用途に使用されています。
古くから日本伝統家屋に採用されてきた欅は価格は高いながらも、その美しい木目と光沢が魅力です。
今回は、欅にはどんな特徴があるのか、費用相場、同じ欅の中でもどのような選び方があるかなどを詳しく紹介します。
▶︎「杉」についてはこちら
▶︎「檜」についてはこちら
▶︎「松」についてはこちら
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上記記事も木材について紹介していますので、ぜひご覧いただき、住まいづくりの参考になさってください。
高級建築材!欅(けやき)の特徴とは
欅はブナや桜と同じ広葉樹で、『欅並木』や『欅坂』などという言葉もあるように街路樹にも多く用いられています。
住宅に用いるうえで、どのようなメリット・デメリットがあるのかを見ていきましょう。
欅のメリット~美しい木目や耐久性の高さ、リラックス効果も!~
①木目が美しく、高級感がある
②強靭なため、耐久性や耐朽性に優れている
③湿度調整をしてくれる
④抗菌・消臭・リラックス効果がある
①木目が美しく、高級感がある
高級感・重厚感のある赤みを帯びた色合いが特徴的で、美しい環孔波状の木目が魅力です。
磨くと艶やかな光沢が出て、年月が経つにつれて味わいの変化も見られます。
②強靭なため、耐久性や耐朽性に優れている
欅は他の木材よりも硬く強靭な性質を持つため、お住まいの耐久性を高めることができます。
そのため、日本家屋の大黒柱に多く用いられています。
③湿度調整をしてくれる
建物の湿度を調整してくれる効果があり、カビ・ダニの発生なども防いでくれます。
これらは人体に大きく影響するものですから、欅を採用すれば家族の健康にも役立ってくれます。
④抗菌・消臭・リラックス効果がある
欅が持つ香りは『フィトンチッド』という成分が含まれております。
これにより、防菌・消臭効果を持つ他、人体に対して自律神経を整えるリラックス効果も与えてくれます。
欅のデメリット~加工が難しく、価格が高い~
①非常に硬い素材のため加工が難しく、技術が必要
②洋風のお住まいに合わせにくい
③手に入りにくい木材のため、価格が高い
①非常に硬い素材のため加工が難しい
強靭な欅はその硬さから非常に加工が難しく、熟練の技術が必要になります。
時間をかければ加工の難易度は下がりますが、加工における乾燥には5~10年ほど必要で、扱いが難しいとされています。
②洋風のお住まいに合わせにくい
どちらかと言うと和風のイメージのある欅を洋風のお住まいに合わせるのは難しいものです。
しかし、着色することによって洋風のお住まいにも合わせることは可能ですので依頼する際は洋風デザインに合わせられるか確認してみましょう。
③手に入りにくい木材のため、価格が高い
高級建材と言われているだけあり、やはり価格は他の木材より高めです。
欅が持つ性質や美しさ、趣を求めた住まいづくりを目指したい場合は材料コストも考えなくてはなりません。
欅の価格帯(立平単価)
建築業界での木材の取引は、立米(1m×1m×1m)で行います。
欅の立平単価は190万円、一般的な建材である檜(ひのき)や杉は約30~50万円と、その差は約3~6倍以上になります。
欅の家を建てるといくらかかる?
一般的な建材の檜、杉の木造住宅の坪単価は約50~80万円ほどです。
一方で高級木材である欅の坪単価は約240~300万円のため、30坪のお住まいを建てるとなると約7,200~9,000万円ほどかかるでしょう。
大黒柱の価格相場
大黒柱は欅の他、檜(ひのき)が多く用いられ、費用相場は約30~300万円とかなり幅があります。
樹種 | 樹齢 | 費用相場 |
欅 | 約100~120年 | 約30万円~ |
約120~300年 | ~約300万円 | |
檜 | 約150~200年 | 約30万円~ |
約200年~ | ~約200万円 |
大黒柱として使用できるようになるまで、欅は100年以上、檜は150年以上もかかります。
また、現存する欅は最長300年、檜は200年くらいと言われています。
それ以上になるとご神木となり、一般的な木材として使用されません。
樹齢以外にどのような基準で価格が決まるのか、次の項目で詳しく紹介します。
高く評価され、価格も高くなる大黒柱とは
どのような大黒柱が高額になりやすいか、以下にまとめました。
①産地
②年輪の幅
③赤身の多さ
④伸び方
⑤枝の量
①産地
欅は北海道を除いて全国的に分布していますが、良材は東北・関東・山陰と限られた地方にしか出回りません。
国内では岐阜県銘木協同組合が開催している『銘木市場』で集まった欅の中から、産地などの要素で評価され、価格が付けられます。
②年輪の幅
これは欅に限った話ではありませんが、年輪の幅によっても大黒柱の値打ちが決まります。
年輪の幅が狭いものは木目が美しく、磨くほど光沢が出て耐久性が高いことから高価で取引されています。
③赤身の多さ
木材の赤く、丈夫な部分を『赤身』、白くて明るい部分を『白太(しらた)』といいます。
中心部分の赤身が多く、外側の白太が少ないほど価格は高くなります。
④伸び方
大黒柱に採用される欅は伸び方も重要で、まっすぐに太く伸びている建材が高く評価されます。
傾斜がある地で育った欅は根元付近で曲がり、上へと伸びるものが多く、評価も下がります。
⑤枝の量
欅は枝が多いと節も多くなり、そのような欅は取引額が下がります。
反対に節が少なく、木肌が美しい欅は高く評価されます。
欅の建材には違いがある!その選び方とは
欅はどれも同じ、というわけではなく、個体差が激しい樹種です。
評価や価格が高いものを選ぶのも悪くはありませんが、一番はご自身の好みや生活に合う欅を選ぶことが大切です。
色で選ぶ
欅は色合いの激しい樹種で、赤身を帯びているもの、オレンジ色のもの、黄色や金色に近いものもあります。
芯が赤い材は通称『赤欅』、白っぽい材は『青欅』と呼ばれています。
また、欅は経年変化も楽しむことのできる建材で使い込むことにより、どんどん赤身は濃くなり、最終的に朱色や焦げ茶色にまで変化。木目も黒くハッキリ現れるようになります。
このような変化後も想像しながら選定をするのも面白いでしょう。
ツヤで選ぶ
写真のように美しい艶感も欅の特徴です。丁寧に磨くことにより、驚くほどの艶を現す建材です。
個体差があれど、ほとんどの欅材は艶を発しますが、ここで注意すべきことはコーティングによるものかどうかです。
木材の加工技術でウレタンのコーティングにより、強い艶を出すことができます。
ウレタンコーティングは被膜が厚くなるため、汚れや傷から保護できますが、一方で木材の感触が多少、損なわれるというデメリットがあります。
無垢材やオイルコーティングを求める場合にはウレタンコーティングではないか確認しましょう。
木目で選ぶ
木目は木材の断面に現れる模様のことを言い、年輪に対して直角に切り出すか、年輪に沿って切り出すかで模様が変わります。
こちらは直線的な木目である柾目。
こちらはタケノコ形の山が重なるような木目である板目です。
この他、強風によって曲がったもの、ねじれたもの、斜めに生えて地面に対して垂直になろうとしたものなど、欅は歴史と共に複雑で美しい模様を作り出しています。
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