後悔しないフローリング選び完全ガイド|種類・性能・暮らし方で決める床材

お客様との住宅の打ち合わせで、ほぼ必ず盛り上がるのが「フローリング選び」。
色はどうする?
無垢にする?それとも複合?
傷つきにくいほうがいい?
床暖房は対応してる?
実は、フローリングは家の面積の中でもかなりの割合を占めています。
つまり、床が変わると家の印象も、住み心地も大きく変わるんです。
でも同時に、「なんとなく雰囲気で決めてしまった」「住んでみたら思っていたのと違った」という声も少なくありません。
そこで今回は、後悔しないフローリング選びのポイントを、少しだけ本音も交えながら解説していきます。
フローリング選びで後悔する人の共通点とは?

まず最初にお伝えしたいのは、「見た目だけ」で決めてしまうことの危うさです。
ショールームやサンプルは、どれも魅力的に見えます。
明るい照明のもとで、きれいにディスプレイされた空間。
でも実際の暮らしは、そこに家具が入り、子どもが走り回り、日差しが入り、毎日歩き続ける場所になります。
よくある後悔はこんなケースです。
・思ったより傷が目立つ
・日焼けで色が変わった
・お手入れが大変
・床暖房に向かなかった
・冷たく感じる
床は毎日触れるもの。
だからこそ「暮らし」を想像せずに決めると、違和感が出やすい部分でもあります。
フローリング選びは、デザイン選びでありながら、実は性能選びでもあるのです。
フローリングの種類と特徴を徹底比較

フローリングは大きく分けると、
- 無垢フローリング
- 挽板(ひきいた)フローリング
- 突板(つきいた)フローリング
- シートフローリング
の4種類があります。
それぞれ、見た目は似ていても構造や特性が異なります。
無垢フローリング
天然木を一枚そのまま使用した床材です。
木そのものの質感、香り、足触りが魅力。
湿度によって伸び縮みするため、多少の隙間や反りが出ることもあります。
定期的なお手入れも必要です。
その一方で、時間とともに色味が深まり、風合いが増していきます。
10年後、20年後に「味」になる素材とも言われています。
「素材感を大切にしたい」「経年変化を楽しみたい」という方に選ばれることが多い床材です。
挽板(ひきいた)フローリング
挽板は、2〜3mm程度の厚みの天然木を表面に使用した、複合フローリングです。
無垢材に近い質感を持ちながら、下地が合板のため安定性が高いのが特徴です。
表面の木材が比較的厚いため、軽い研磨や補修が可能なケースもあります。
無垢の雰囲気は欲しいけれど、反りや動きはなるべく抑えたい、という方にバランスの良い選択肢です。
価格帯はやや高めですが、無垢と突板の中間のような存在と言えるでしょう。
突板(つきいた)フローリング
突板は、0.2〜0.5mm程度の薄い天然木を合板に貼った床材です。
見た目は天然木ですが、表面材が薄いため、深い傷が入ると補修は難しくなります。
その代わり、寸法安定性に優れ、反りや伸縮が少なく扱いやすいのがメリットです。
コストも挽板より抑えやすく、性能と価格のバランスを重視する方に選ばれています。
シートフローリング
木目調の化粧シートを貼ったタイプです。
水や傷に強く、メンテナンス性が高いのが魅力。
コストも抑えやすく、最近は見た目もかなりリアルです。
ただし、天然木のような経年変化や質感の変化は出にくい傾向があります。
それぞれの違いを簡単にまとめると
| 種類 | 質感 | 安定性 | 経年変化 | 補修性 |
| 無垢 | ◎ | △ | ◎ | ◎ |
| 挽板 | ○~◎ | ○ | ○ | △~○ |
| 突板 | ○ | ◎ | △ | △ |
| シート | △ | ◎ | ほぼなし | △ |
※あくまで一般的な傾向です。
私たちの現場では、「素材感を楽しみたい方」は無垢、「安定性や扱いやすさ優先の方」は挽板や突板、という選び方をされるケースが多い印象です。
「どれが正解」ではなく、「何を大切にするか」で答えは変わります。
暮らし方で変わる最適なフローリングの選び方

フローリング選びは、性能比較だけでは決まりません。
実際には、どんな人が、どんな暮らしをするのか。
これが一番の判断基準になります。
ここでは、具体的な暮らし方別に考えてみましょう。
子育て世帯
よくある心配は「傷」です。
おもちゃを落とす、椅子を引きずる、走り回る。
どうしても床は傷つきやすくなります。
この場合の選択肢は大きく2つ。
「完璧を保つ」か、「育てていく」か。
ここが価値観の分かれ道です。
※オイル仕上げとは、植物性オイルなどを木に浸透させて仕上げる方法で、木本来の質感を活かしながら部分的な補修がしやすいのが特長です。
ペットがいるご家庭
ポイントは「滑りにくさ」と「耐傷性」。
ワンちゃんが走り回る場合、ツルツルした床は足腰に負担がかかります。
おすすめは、
無垢の場合は、やわらかい杉などは傷がつきやすいため、樹種選びが重要です。
「無垢がいい、悪い」ではなく、無垢なら樹種を工夫するという選択もあります。
共働き家庭
毎日の掃除のしやすさは重要です。
無垢の場合も、ウレタン塗装仕上げならメンテナンスの負担は大きくありません。
「無垢=手間がかかる」というイメージがありますが、仕上げ次第でハードルはかなり下がります。
※ウレタン塗装とは、床の表面に樹脂の塗膜をつくる仕上げ方法で、汚れや水分が染み込みにくく、お手入れがしやすいのが特長です。
長く住み続ける家を考えているご家庭
ここで少し視点を変えて。
将来、家族構成が変わったとき、
子どもが巣立ったあと、
年齢を重ねたとき。
そのときに「味わいが増している床」か、「できるだけ変わらない床」か。
長く住む家では、経年変化を楽しめる素材が選ばれる傾向があります。
特に無垢材は、日焼けや摩耗も含めて「住んだ時間が表情になる」素材です。
ここを大切にしたい方には、無垢が相性の良い選択になります。
10年後に差が出る|経年変化とメンテナンスの真実

フローリングは、完成時よりも「10年後」に違いがはっきりします。
ここでは、素材ごとの変化と現実的なメンテナンス事情を整理します。
無垢材の経年変化
無垢材は、紫外線や空気に触れることで色味が深まります。
オークは飴色に、ウォールナットはやや明るく変化するなど、樹種ごとに特徴があり楽しみ方も様々。
また、無垢は湿度変化によって伸縮します。
そのため季節によってわずかな隙間が生じることも。
ただしこれは不具合ではなく、木が呼吸している証拠です。
【メンテナンス】
・オイル仕上げ → 部分補修や再塗装がしやすい
・ウレタン仕上げ → 基本は塗膜保護、劣化時は再塗装や張替え検討
無垢は表面を研磨すれば再生できる可能性があるため、長期的に見るとリカバリーの選択肢が残ります。
挽板フローリングの経年変化
挽板は、2~3mm程度の天然木を貼った構造。
見た目や質感は無垢に近いですが、基材が合板のため寸法安定性は高めです。
【メンテナンス】
軽い研磨は可能な場合がありますが、削れる回数には限りがあります。
突板フローリングの経年変化
0.2~0.3mm程度の天然木を使用。
日焼けによる色の変化はありますが、摩耗にはやや弱い素材です。
【メンテナンス】
基本的に研磨はできません。
大きな傷や劣化が出た場合は張替え対応になります。
シートフローリングの経年変化
色味が変わりにくく、見た目を保ちやすいのが特徴です。
ただし、傷が白く目立ったり、表面が剥がれることがあります。
【メンテナンス】
補修は限定的で、部分または全面張替えが基本になります。
10年後を考えたときに大切なこと
フローリングは、どの素材を選んでも10年後には必ず変化します。
色が少し変わったり、細かな傷が増えたり、ツヤが落ちたり。
これは特別なことではなく、自然な経年変化です。
そこで考えておきたいのは、次のポイントです。
・傷がついたときに補修できるかどうか
・表面を削ってきれいに戻せる可能性があるか
・見た目の変化を許容できるかどうか
さらに現実的な話をすると、定期的にしっかりメンテナンスを続けるご家庭は多くありません。
「ちゃんと手入れすれば大丈夫」ではなく、あまり手をかけなくても無理なく使えるかどうか。
これを基準にすると、素材選びはぐっと現実的になります。
経年変化は優劣ではなく、どう付き合うか。
10年後の姿を少し想像して選ぶことが、後悔しにくいポイントです。
私たちが床材選びで大切にしていること

床は、毎日触れる場所です。
だからこそ、性能や価格だけで決めてしまうのは少しもったいないと考えています。
私たちがご提案するときに大切にしているのは、「そのご家族が、10年後も心地よく暮らせているか」という視点です。
できるだけ変わらない安心感を選ぶのか。
少しずつ変わっていく味わいを選ぶのか。
どちらが正解ということはありません。
ただ、木の持つ自然な質感や、時間とともに深まる表情を実際に見ていただくと、「これがいい」と感じていただけることも多いのは事実です。
最終的には、カタログではなく体感で選ぶこと。
それが、後悔しない床選びにつながると私たちは考えています。
実際に見て、触れてみると、写真や言葉だけでは分からない違いも感じていただけます。
無垢材の特徴やメリット・デメリットについては、これまでのブログでも詳しくご紹介しています。
より具体的に知りたい方は、そちらもぜひ参考にしてみてください。
床材選びで迷われている方は、ぜひお気軽にご相談ください。
暮らし方やご希望をお伺いしながら、無理のない選択肢をご提案させていただきます。
無垢材の家づくりについて、お気軽にご相談ください

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